現在、人は様々なシステムと共同して生活しています。例えば、自動車やロボット、人工衛星、インターネットなどです。このようなシステムは、多くの要素が組み合わさってできたもので複雑系と呼ぶことができます。例えば、人間と協力して作業するロボットを実現するには、周囲の環境を把振するセンサーや画像処理、コンピュータで自律的に判断を行う知的情報処理、そしてロボットを動かすためのモーターやその制御など、さまざまな技術要素を一つのシステムとして有機的に統合する必要があります。
さらに、ロボットの社会的影響や人間に与える心理的影響など、従来の工学では扱われてこなかった問題や、従来人文系と見なされてきた問題も考えなければなりません。技術と社会の高度化・複雑化にともない、一つの技術要素だけで便利なものや快適な環境を作り出すのが難しくなっており、システムという考え方の重要性は増しています。知能システム学コースでは、さまざまなシステムに共通する一般的原理とシステムを構築する方法について教育・研究を行っています。
知能システム学コースでは、異なる分野を総合的にとらえて課題を解決し、人間、機械、環境の調和と協働をもたらす新しいシステムを創造できる人材を世界に輩出します。『広い視野を持ち、理工学の分野のみならず経済・社会の分野にも関心のある人』、『既成概念にとらわれることなく新分野への開拓精神を有する人』、『自らの観測に基づいて思考を発展させ、表現する能力のある人』など、共に理工学の新領域を切り開いていける方を歓迎します。