Huber M-estimatorに対する一般化ニュートン法を用いた解法
佐藤主計
線形回帰問題とは線形の相関があると考えられるデータに対して, それをもっともよく表す直線または平面を求める問題である. 一般に最小二乗法などあが使われるが,
対象とするデータに外れ値が含まれる場合, 結果は大きく影響を受けてしまう. これに対し外れ値からの影響を小さくする, いわゆるロバスト線形回帰問題がいくつか提案されている.
その中の1つにHuber M-estimatorコスト関数を用いる方法があり, この問題は二階微分不可能であること, また対象とするデータ数が一般に大きいため解法には工夫を必要とする.
本研究ではこの問題を等価な凸二次計画問題に定式化し, そのKKT条件にFischer-Burmeister関数を適用することにより混合相補性問題へと定式化し,
一般化ニュートン法を適用するという解法を提案する. この解法により, 計算時間をあまりかけずに解を導くことが出来ることを計算実験により示す.