外生信号に対する位相遅れを補正した繰返し制御系の設計
藤井研究室 澤井 眞一
周期的目標信号への追従特性,または周期的な外乱の漸近的除去の向上を目的と
して,
むだ時間exp{-Ls}を用いて,サーボ系の特殊な形である繰返し制御系が
提案されている.そしてまた,この繰返し制御系が,制御対象の伝達関数が
真にプロパーならば,むだ時間exp{-Ls}が分布定数系であることが起因して内
部不安定になることから,内部安定性を保証するために,
むだ時間要素の前にローパスフィルタF(s)を内包させた
修正繰返し制御系という方式が考え出され,用いられている.
しかし,この修正繰返し制御系ではF(s)が動的要素であるために,
繰返し制御器中で位相遅れが生じる.
そのため,制御器のゲインのピークの周波数の位置が目標入力の
周波数の位置からずれてしまい,結果として出力の追従性能が劣化する.
これらの背景から本研究では,この相反する要求を満足するための設計法の
検討を行なうことを目的とする.そして,この目的を念頭において,物理的な考
察といくつかの数値シミュレーションを行なった結果,前述のゲインのピークの
ずれをF(s)を定数ゲインに選定することにより解決することができた.
詳しくは,PSファイルを参照して下さい.
[PostScript File]