頭の動きに合わせた仮想環境の提示

新井研究室  黒崎郁之助


近年、宇宙開発における作業、災害現場での救助作業用のロボットへの期待 が高まってきている。このような作業では人間が遠隔操作することが考えられ る。作業効率の点からもヒューマンインタフェースの点からも、操作者に負担を かけない制御方法が望まれている。
本研究では、6肢型作業移動ロボットの操作性の向上を図るため、人間の動作 による仮想環境のロボットの操作を研究した。このロボットは通常6脚歩行で、 作業する時は4脚歩行で残りの2脚は腕になる。また、本体を中心に放射線状に 脚が付いていて全方向に同じ動作で歩行するものである。まず、ロボットの視線 の操作は、操作者の頭の向きによって行う。操作者は、赤・黄・緑の3個のマー カーをつけたヘッドマウントディスプレイを装着する。操作者の上方向と横方向 に取り付けた、2つのカメラ映像からそれぞれのマーカーに対応する領域の重心 を画像処理によって求める。画面上での重心の位置関係から、実空間における操 作者の頭の向きを算出する。頭の向きに合わせて仮想環境における操作者の視線 を動かすことによって仮想環境を呈示する。