ハイパーメディア教材における履歴の可視化による知識整理支援
佐竹 義智
WWW上のハイパーメディア教材で、目的を持って学習する際、学習者は知識を整理
するのが難しく迷子に陥りやすい。本研究では、迷子の状態を「これから何を学習す
べきかわからない」状態と捉え、迷子を解消するには、学習者自身が、これまでに学
習した知識を整理した後に、目的が達成されたかどうか評価することで、学習の方向
づけを行うことが重要であると考える。知識を整理する上で、学習時の思考を再現す
ることは必須であり、新たな関連関係を見出し、知識を整理することも重要である。
本研究では、知識整理支援として、履歴を時系列に並べて可視化することで、学習者
の思考の再現を促す手法、履歴を構造化して可視化することで、学習者に別の観点を
与え、整理を促がす手法を提案する。さらに知識整理後、目的の達成度の評価を促す
には、目的の知識が教材に含まれると仮定し、教材全体の構造に、学習者の履歴を重
ねあわせる手法を提案する。また、これらの3つの履歴可視化ができるシステムを開
発し、アンケートによる予備実験を行った。なお、システムは、ハイパーメディア教
材や履歴の構造を、複雑なネットワーク構造になる場合、木構造にフィルタリングを
している。